水沢なお より

ラメ入り

ことば

詩/母の日

母の日 君の吐いたものがまだ駅のろかたに落ちていた/君はもういないのに/縮れた麺と水にとけた小麦粉だった/不快に思わない/私だけが/それを/知覧で生まれた君の頬/鏡面になった小さなアップルマークのなかで前髪を整えている/ポケットの底に沈んだトルコキ…

詩/変身

変身 友だちに会いに、電車へと乗った。私のなかで、最も古い友人が、家に招待してくれたのだ。 手紙を読み返すと、古くさい花柄の便せんに、くせのある字が並んでいる。わ、と、れ、の書きわけが曖昧。ら、は、いつもどこかひらけている。る、の形はどこか…

掌編小説/みずうみ

早朝に湖を見たことがありますか、まだ一日が始まったばかりの、うっすらと、爪の三日月の部分にほんの少しだけ青を混ぜたような、そんな静かな水が誰に望まれるわけでもなくそこにあるわけです、その水面から、数センチくらい離れたところから、だれかの吐…